本日は石塚泰男 著『子どもの不幸は「口腔」から始まる』を紹介します。
石塚氏は、歯学博士であり、平成10年より石塚矯正クリニックを開業し、一人ひとりに合わせた「オーダーメイド矯正」を行っているそうです。
本書は、子どもの虫歯など口のトラブルが原因で、歯並び、ひいては顔の輪郭まで影響を及ぼすとして警鐘を鳴らしています。
歯並びはどうやって決まるのか
母であれば子どもの歯並びは気になるもの。
出っ歯や八重歯、受け口など歯並びが悪いと顔の輪郭、つまり美醜にまで影響を及ぼします。
では、歯並びはどのように決まるのでしょう。ポイントは2点あります。
②顎が発達しているかどうか
③口呼吸をしていないかどうか
乳歯が適切な時期に永久歯に生え変わるかどうか
乳歯は6か月ごろから生え始め、3歳ごろ全て揃います。しかし乳歯は小さいので、成長に合わせ、顎の大きさに見合った永久歯に順次生え変わっていくのです。
つまり、乳歯が適切な時期に抜け落ちないと、永久歯が正しく生えなくなります。
そのため、乳歯のときに虫歯を放置したり、それがひどくなって抜歯したりすると、永久歯が正しい位置に生えてこないのです。
顎が発達しているかどうか
近年、歯並びが悪い子どもが増えている原因として、「軟食化」が挙げられます。
かつての日本人の食事は骨のある小魚や繊維質の野菜を摂る食事が多かったものの、現在では欧米化が進み、柔らかいパンやケーキ、ハンバーグなど食べられるようになりました。
これにより、顎が十分に発達することができず、顎が小さくなり、歯が入るスペースがなくなることで歯並びが悪くなってしまうのです。
口呼吸していないかどうか
歯並びを悪くする要因には、先天的な遺伝の要因もありますが、後天的な要因でも引きおこります。
それが、口呼吸をしているかどうかです。
普通、鼻で息をしていると、前歯が外側から押さえつけている状態になりますが、口呼吸をしていると、その力が弱まり出っ歯になりやすいのです。
また、口呼吸をすると、自然と舌の位置が本来あるべき位置より下がってしまい、口の中の筋肉のバランスが崩れ、出っ歯などになりやすいのです。
きれいな歯並びを目指すために
虫歯の予防
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中は、虫歯菌は存在しません。
ではどこで感染するかというと、赤ちゃんに接する大人の唾液からです。
・大人が使ったスプーンや箸で食べ物をあげる
・かわいいあまりキスする
こういったことは、要注意です。虫歯菌が住み着いてしまう恐れがあります。
しかし、口内環境をきれいに保てていれば虫歯を予防することができます。
乳歯は、大人の歯に比べて、エナメル質が柔らかいため、虫歯になりやすく、さらには初期状態では気づきにくいのが特徴です。
そのため、きちんと口腔ケアを行うと同時に定期的な検診も行くように心がけましょう。
・歯磨きは、朝・夜の2回
・食べてから30分後を目安に行う
・子ども用のデンタルフロスを使うとより効果的
顎を鍛える
近年の軟食化の影響で、歯が弱くなっていると上項で伝えましたが、以下のようなことを意識し、顎を鍛えましょう。
・硬めに食材をゆでる
・おやつはケーキよりもお煎餅やスルメを選ぶ
・キシリトールガムも効果的
・頬杖をついたり、同じ奥歯で噛むクセをやめる
・1口30回を目安に食べる
鼻呼吸を習慣づける
口呼吸は、口の筋力を弱め出っ歯になりやすいと上項で伝えましたが、
そのほかにも、口の中が乾燥して虫歯になりやすくなったり、感染症になりやすかったり、デメリットばかりです。
口呼吸がクセになっている子は、鼻呼吸を意識することが何よりも大切です。
また鼻の通りが悪い場合は、まずは耳鼻科に行って鼻づまりを改善しましょう。一時的な鼻づまりの場合は、鼻を温めて血行を良くしてみましょう。
まとめ
・歯並びは、永久歯が適切に生え変わるか、顎が発達しているか、口呼吸していないかで決まる
・そのために、虫歯予防・顎を鍛えるクセ・鼻呼吸の習慣づけが大切
・口内環境悪化による口臭について
・矯正はいつからはじめるべきか
・子どもの矯正について
・口呼吸から引きおこる感染症・アレルギー・中耳炎・睡眠・姿勢の影響
・口の筋肉機能の強化の方法
・口内環境を整えるメリット
などが掲載されています。詳しく知りたい方はぜひご購入ください。
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