こんにちは!本日は「モンテッソーリ×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方」を紹介します。
モンテッソーリ教育は将棋の藤井聡太さんが受けていたとして有名になった教育法です。
子供の能力を、適切な時期に、適切な環境・遊びを通して引き出すというモンテッソーリ教育。本書ではそこにハーバード大学の教授が推奨している「多重知能理論」を組み込んだ教育法を紹介しています。
モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育は、イタリア発の女性医師であるマリア・モンテッソーリによって提唱されたものです。
モンテッソーリ教育の理論は
親は子供のそばに寄り添い、見守ることが大切。
決して世話を焼く存在ではなく、子供の能力を引き出す存在。
というものです。
子供たちが自発的に何をするか考え、自由にさせてあげられる環境を整えることが大切です。
このような環境で育った子供たちは、自分で考える力・選択する力が芽生え、「承認」されることを実感した子供たちは、他者を信頼し、自分勝手な行動をとらないようになります。
また、モンテッソーリ教育では、「この時期に、この能力が発達する」という旬の時期を「敏感期」と呼んでいます。
敏感期は0歳~6歳、とくに3歳までが最も強くあらわれるとしています。敏感期には様々なものがありますが、代表的なものとして
・運動の敏感期(0歳~6歳)
・感覚の敏感期(0歳~3歳)
・言語の敏感期(0歳~3歳)
などがあります。
それぞれの敏感期に、適切な環境や遊びを通して才能を伸ばしてあげることが大切です。
ハーバード式「多重知能理論」
「多重知能理論」とは、ハーバード大学のハワード・ガードナー教授が提唱しているもので、人間には8つの知能があるという考えです。この8つの知能は、個性のように、人によってある分野が低かったり高かったりします。
本書では、日本式にアレンジし、下の9つの知能としています。
②「言葉」の知能
③「数」の知能
④「絵」の知能
⑤「自然」の知能
⑥「感覚」の知能
⑦「音楽」の知能
⑧「人」の知能
⑨「自分」の知能
9つの知能を伸ばすには
上記で述べた9つの知能を、適切な時期に、適切な環境・遊びで伸ばしてあげることが大切です。本書では、発達段階に合わせた遊びが多数紹介されていますが、今回は一部をご紹介します。
「体」の知能
いわゆる「運動神経の良さ」は体の発達段階に合わせて、その時期に適切な運動をしたかどうかで決まります。
前進プログラム(2カ月~)
ずりばいやハイハイをしっかりした子供は、全身に筋力がつき運動神経が良くなります。
うつ伏せに寝かせて、前方に興味を引くおもちゃを置き、足の裏に手を当て、前に進むようサポートします。
びりびりレッスン(6か月~)
このレッスンは、手指の巧緻性を高め、手先の器用な子に育ててくれます。ティッシュや広告、新聞紙など用意し、音の刺激や形が変わる面白さを経験させましょう。子供は「やりきった!」という達成感も味わうことができます。
「言葉」の知能
乳幼児期の子供は、音を聞き分ける能力が長けています。生まれてからすぐにママとパパの声を聞き分けることができます。たくさん話しかけてあげましょう。
古典の読み聞かせ(0カ月~)
わらべ歌や俳句・詩などは、リズム感もあり子供は覚えやすく、言葉の美しさや表現力も養うことができます。親が一緒に歌ったり、詩を壁に貼ったりして視覚的にもインプットさせてあげると良いです。
「数」の知能
この知能は、計算能力や暗算能力、論理的に問題を解決できる能力のことです。この知能を伸ばすには、単に「いち・に・さん」と話しているだけではダメで、イラストや実物をみせながら、かつ数字も見せて「いち・に・さん」と発音することが大切です。
100玉そろばんもおすすめです。
「絵」の知能
「絵」の知能は、クリエイティブ能力のことで空間認識能力が大きく関わってきます。この知能を養うには、積み木や折り紙が効果的です。また、美術館などで一流の絵画をみるのも良いでしょう。
ダイナミックお絵かき(2歳~)
子供がのびのび楽しめるように、包装紙など大きな紙を用意し自由に絵を描かせます。「紙の大きさ=思考の広さ」になりますので、キャンバスが大きいほど、発想が広がります。まだ子供が小さい場合は、手を取り「ぐる・ぐる・ぐる」などリズムをつけて一緒に描くと良いでしょう。
「自然」の知能
「自然」の知能は、自然と人工物を見分ける力で、四季折々の美しさや表情を感じ取れる能力です。自然の中で、「感じる心」「知的探求心」を養いましょう。
草花で色水遊び(1歳6か月~)
花びらをすり鉢に入れ、つぶします。そこに水を入れると色水が出来上がります。椿やパンジーなど柔らかい花びらがおすすめです。
「感覚」の知能
センスや表現力は、五感を通して様々な経験をすることで養うことができます。美しい絵や音楽に触れたり、新鮮な野菜や出汁でとった離乳食を与えるなど「本物」を体感させてあげることが大切です。
においあてクイズ(1歳~)
モンテッソーリ教育の教具には、数種類の匂いの筒を2本ずつ用意し、同じ匂いを当てるというものがあります。ただ用意しなくとも、家にあるショウガや香辛料、花の匂いなど意識的にかがせるようにするというだけでも十分効果的です。
「音楽」の知能
赤ちゃんの頃から、様々な音楽を聴いている子は、リズム感が身に付き、歌ったり、演奏したり、踊ったりするのが得意です。曲は、ママ・パパがリラックスできるもので構いませんが、できることならクラシックの名曲がおすすめです。
リズム遊び(3カ月~)
子供が好きなCDをかけ、「曲がストップしたら動きをとめてね」と伝えます。これにより、集中力も養うことができます。
「人」の知能
「人」の知能は、他人の感情や意図を理解することができる力のことで、いわゆるコミュニケーション能力のことです。同年代だけでなく、乳幼児から様々な年代の人々と関わり、多種多様な価値観を教えてあげることが大切です。
異年齢交流(3カ月~)
老若男女が集まる交流の場で、子供を遊ばせましょう。キャンプは共同作業が多く、おすすめです。お稽古や地域のサークルなどに参加するのも良いでしょう。
「自分」の知能
「自分」の知能とは、自分自身の長所・短所を理解し、目標達成を自律的に行う能力です。自分自身を客観的にみることが大切です。まずは、手鏡で遊ばせ「自分」のことを知ることから始めます。
感情表現カード(1歳6か月~)
子供と会話による意思疎通が十分にできない時期は「楽しい」「怒っている」「悲しい」「つまらない」などの感情を顔で表現したカードを用意して「今どんな気持ち?」と尋ねます。自分の感情に近いカードを選んだら、「つまらなくて泣いていたのね」などと共感してあげます。そうすることで、子供は自分の気持ちに整理がつき、精神的に安定することができます。
才能を伸ばすために
子供がおもちゃなどに没頭しているときを「フォロー状態」といいます。このフォロー状態は、集中力が高まり、才能を引き出しやすい状態です。
フォロー状態に入るには、5つのステップがあります。
②何度もやる
③集中してやる
④達成感を味わう
⑤満足する
そして子供が黙ってやりたいことをしている間は、むやみに話しかけないこと。話しかけたり、褒めるタイミングは、満足してやり切ったときです。子供は、やりきると至福の表情で「ねえ、みてよ」というメッセージを送ってきます。子供が自分で終わりを決めることで、意思を尊重してもらえたという信頼感も生まれます。
まとめ
・ハーバード式多重知能理論は、8つの才能が人にはあるという考え方
・才能の伸ばし方は、フォロー状態を意識すること
・そのためには、子供が自由におもちゃを選択でき、満足するまで遊ぶこと
・親はむやみに話しかけず、子供がやりきったときに褒めたり話しかけること
・子供の能力を引き出す8つの心得
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