本日は中室牧子氏 著『「学力」の経済学』を紹介します。
本書は、テレビ「林先生が驚く初耳学!」でも紹介され、林修先生が「日本国民全員が一冊持つべき」と絶賛しました。
今まで「思い込み」で語られてきた教育の効果を、科学的根拠から解き明かした一冊です。
今回は皆さんが気になるであろう一部を抜粋してお伝えします。
子供をご褒美で釣っても良い
ご褒美で釣って子供に勉強させて良いものかと悩まれる方も多いかと思いますが、ちょっとしたコツをつかめば、ご褒美で釣っても良いのです。
「馬の鼻先に人参をぶら下げる」と云うことわざがありますが、経済学的にもこれは証明されています。
人間は遠い将来のことなら冷静に考えることができますが、近い将来だとすぐに得られる満足を大切にしてしまうのです。
つまり、
来年の正月に5,000円もらえる
⇒来年の正月の一週間後には5,500円もらえる
この場合「待つよ!5,500円欲しい!」
明日5,000円もらえる
⇒1週間後に5,500円もらえる
この場合「待てない!5,000円ちょうだい!」
子供の勉強に対してもこの性質を利用し、子供に今すぐ勉強するように仕向けるということです。
インプットに対して褒める
アウトプットではなくインプットに対して褒めるようにしましょう。
・テストで良い点をとったら
・良い成績をとったら
など
・本を一冊読んだら
・宿題を終えたら
・学校にきちんと出席したら
など
お金をご褒美としても良い
子供が小さいうちは、お金よりもトロフィーのようなものが効果的ですが、中高生以上にはお金の方が効果的です。
ご褒美がお小遣いであることに関して、とある教授がアンケートを行ったところ、
お小遣いをもらった子供たちは、無駄遣いするどころか貯金し堅実なお金の使い方をしていたそうです。
金額や与え方を誤らなければ、むしろお金の価値も同時に学ぶことができます。
ご褒美の与え方のまとめ
〇「一時間勉強したら、終わった後にお小遣いをあげるね」
×「良い成績をとったら、次の誕生日にお小遣いをあげるね」
ポイントは、近い将来に対して、インプットに、適切なご褒美(お小遣いもOK)を与えることです。
・「頭がいいわね」ではなく「よく頑張ったわね」と努力を褒める
・テレビやゲームは1時間程度なら学習時間への悪影響はない
・「勉強しなさい」というだけでなく、親が見てあげると効果が高い
・男の子の場合は父親が、女の子の場合は母親が関わると良い
否認知能力の重要性
学歴・年収・雇用など、長期的な面において大きな成果を上げるのが「否認知能力」です。
「認知能力」は学力テストやIQテストなどで計測される能力のことですが、「否認知能力」とは忍耐力や社会性など、人間の気質に関わる能力のことです。
・自己肯定感
・意欲
・忍耐力
・自制心
・メタ認知ストラテジー(自身の状況把握)
・社会的性
・回復、対処能力
・創造性
など
まとめ
・近い将来に対して、インプットに、適切なご褒美(お小遣いもOK)を与える
・学歴や年収に影響を与えるのは、否認知能力
・否認知能力は部活動や課外活動、社会奉仕活動などに参加し身に着けられる
・幼児教育の重要性
・子供を褒めて育てるべきか
・少人数学級には効果があるか
・良い先生とはどんな先生か
などが掲載されています。詳しく読みたい方はぜひ本書をご購入ください。
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